日刊ろっくす 前日のThAnk YoU rocks top back
*最後のロック・バンドR.E.M、「グリーン」に続くワーナー移籍後第2弾、通算7作目のアルバムです。グリーンがアウト・オブ・タイムな人間にとっては最後のアナログ名作だとすればこれは確実にCD時代に突入、ジャケからして完全CDモードだ。しかして録音はベアズビル・スタジオ、曲数は11。中身はいささかも揺るがぬR.E.M、一番内なる光りが外に零れ落ちて幸せな時代だったかもしれません。青春です。青春だー。10代の頃って傍から見れば大したこと無くてもとにかく悩む。体自体悶々としてる上に自信の無さ、人間関係、疎外感、恋愛のこともあろう。そんな時、一人自分家の寝床で体育館座りして聴くに相応しき音楽筆頭がこのR.E.M。実際米青春ドラマ「ビバリーヒルズ青春白書」でも必ず悶々場面には使われておったわ。70’sにはジャクソン・ブラウンつう巨匠がいましたけど大人になってしまったから80’s以降は一手に引き受けてます。イギリスにはジョイ・ディビジョンつうこれまた巨匠がおりますが、彼らの音楽は同じ体育館座りでも体育館履きを忘れて授業中端っこで裸足で泣きながら座ってるがごとき空恐ろしい現実感有り。同じ悩みでもどっかに光りを見たい、この後はパーっとバカヤローしてラーメン腹一杯喰いたいって時にはこれしかないぞ。そんな感じが一番あるのがR.E.Mの中でもこの盤が一番かと。だって「ルージング・マイ・レリジョン」が入ってます。同時に強烈に想起するのがあの見事なビデオ・クリップ。映画「カラバッジオ」。そりゃ物理、数学のテストでは赤点すれすれだったけど悩む時くらい少しは知的にさせてくれよ。嬉しいです。最後の演歌マンドリン・フレーズまで充分に正当な悩み抱えて座れる。そしてその後、体悶々を引きずりながらパーっとバカヤロ同時に出来るのが「シャイニー・ハッピー・ピープル」。バカヤロ応援担当はB52’Sのケイト嬢。これもビデオ最高でした。一緒に踊る。とにかく腹が立った時は「レディオ・ソング」。”世界はぶっ壊れてるぜ”。恋人と(いる憎たらしいやつは)肩を抱き合って一緒に横に揺れるには「ニア・ワイルド・ヘブン」。いなかったらパパパパと想像する。遅刻しそうで全速力で疾走最中にも関わらず胸キュンするには「テキサカーナ」。ありとあらゆる青春シチュエーションに対応。これは言葉わからなくても存分に伝わる、そが音楽。世界中で支持されるのは当然であります。年齢は・・・この歳になって聴いても恥ずかしいくらい来ちゃう。聴いてるとドギマギして何にも出来なくなっちゃうくらい。困ります。強烈で。
(山)2005.7.10