アラーム・ア・ラ・モード 松任谷由実 1986/11/29 今年最初のユーミンさん盤感謝です。 前回から2ヶ月ちょっと間隔が空いたぞ。 理由と言えば、ヤられるのに時間がかかったから。 21世紀になってようやくハマって以来、連勝街道爆進中、 バブルの時代にいよいよ昔はマジで最大の敵だった頃のアルバムでさえ、最終的には結局屈服させられることになるんすが、 なるのはわかってるんすが、 これには難儀しました。 何しろ最初の印象最悪。 このまったくもってオシャレーなジャケはいったい。うちらなんか聴いてもいいですのかいなってなもんで。 両開きはもちろんのこと、タイトル文字が浮き文字立体で、もちろん歌詞カードは恒例豪華。 で、聴いてみても最初はちいとも耳の中に入って来ませんでした。 ただもう通り過ぎるのみ。いやこりゃ参った。初めてやらかしちまったかと思った。 でも結局はまたヤられたんだよねえ。 こりゃ素晴らしいアルバムです。 何とゆうか表に被ってる甲羅が厚過ぎて突破しにくかっただけで。 ![]() 1986年と言えば、こちとらは相変わらずバンド貧乏の真っ只中で世間の現実に一番さらされていたキツい時期、 若さでまだ歌も書けて希望も有ったから乗り切れたようなもんで、まったく実感わかなかった。 第一次バブルの中休みの年だったのか。次の年から1990年まで狂乱景気が始まる直前。 今とまるで違います。 景気一服で手元に金は有るけどちょっとお疲れ隙間風が少し・・・そんな感じにどんぴしゃだー。 何かに・・踊っている間はわからないけど、もしかするとヤバいものに体中拘束されてるんじゃないか。 豪華でお洒落ながらよく見ると牢屋格子になってるジャケは今は理解出来ます。 入っていけない厚い甲羅の正体もわかってくる。 敵はねえ、やっぱデジタルだよ。 音楽作る上で環境がまるで変わってもう選択の余地が無いほどデジタルになっちゃった。 景気が良くて設備の最新化も一挙に進んだのか。 何しろこの敵、音楽にとって最大のものです。 バッチリ馴染んだのは、当たり前だけどテクノとヒップホップくらいなもんで、 ハードロックもウエストコーストロックもサザンロックもパンクも全部殺された。 音の質感自体がガラっと変わらざるを得ず、独特のクセがべったりと貼り付くから。 機械は冷たい。 これまた当たり前。しかもこっちがあっちに合わせなきゃ動かん。 道具として使っているつもりでもいつの間にか奴隷にされちまってる。 出来ることが無制限になったようでねえ、これが実は逆。 何となく作りたいとか、偶然の奇蹟とかの可能性が排除されちゃうんだよ。 これ、実感です。 わたしゃ家庭用MTRがパソコンと、えーと何てたっけミニディスクだっけあれになってトンと歌が出来なくなっちゃったもん。 当時はそれが、そんなはずは無いと思ってた。浮かれてこれで解放だ自由だとか。 でも何かやりにくいなって。 それは恐らく松任谷の旦那さんもそう感じてたのでは無いでしょうか。 アレンジはもちろん、プロデュースにもまた挑んで。 ユーミンさんと言えば、バブルに踊ってる人々の影には必ず孤独な人がそれだけに仰山いる、 をしっかりと見透かし、不動です。 絶好調。 1曲目なんか騙されるもんな。 ♪ ホーリデイはあアカープルコお ♪ 何じゃこりゃ、この成金のクソ歌詞があ!激怒! 5回くらい聴くと ♪ 皮のサンダル ソンブレロ ふふ 安くされても いらないわ ふふ お土産買うあてもない ホーリデイはあアカープルコお ♪ に気付く。結局一人の歌シリーズ。 旦那さんそれを煽るようにお気楽極楽アレンジで。いっそう寂しいじゃないか。 オレたちひょうきん族のラストテーマに使われたとゆう(まるで記憶無し)、 ”土曜日は大キライ” にしても、派手なくせに思い切り全否定の歌だし。 スローな歌もその丁寧な作りには一切変化無し。 なのに何でまた最初の取っ掛かりがねえのかといやあ、 結局、デジタルだよ。 ゼロサム機械には人の気持ちの歌の奥行きを現す気持ちも能力も無い。 それは実は今でもいささかも変わりなく、 まるで解決してません。 えらい大変ここからは。 やる前にジム・モリソン氏が唄った ”音楽が終わる時・・・” が立ちはだかって邪魔をしてるんだから。 ![]() (山)2009.3.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ![]() ALARM a la mode(アラーム・アラ・モード)/松任谷由実 ![]() ホリデイはアカプルコ 松任谷由実 Holiday in Acapulco http://www.youtube.com/watch?v=yNO0aoFZpcQ |
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