週刊 ちゃぶ通  VOL 245











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編集後記
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<前説後記小説 ハッパ寿司 第1回>

 朝から仕事をしていたのだ。正確に言うと昨晩からで、もっと正確に言うと昨日の朝、ええい
いつからやっていたのか思い出せぬ。どうしても眠たい時に寝る、少しの間、とゆう生活をして
いる。職業はインテリア・デザイナー。横文字で書くとかっこいいが下請けなので要求されるま
まその図面をパソコンで書いている。2023年の今でも、特注ものは手書きで書くも同然なん
だよ。処理速度だけは驚異的に上がっているので当然人間の方がそれに付き合うこととなる。客
はほとんど自動で書いていると思ってる訳で、技術が進歩すりゃするだけ俺たちは命縮めるって
ことだ。オマイガー。
 だもんで大抵がイライラした毎日の中、その日も、先方の気分から生じたクレームが飛び込み
、表示されたメールの画面にケリを入れようとしたその時だった。

ぴんぽおおん。

振り上げた足を中に浮かしたままずっこけそうになったよ。

「誰だ、いったい。」

パソコンをクリックしてみる。画面に調子良さそうな親父の顔が映った。

「おう、久しぶりっ。」
「おう、何だ、お前か。今行くから。」

もそもそ玄関に向かいドアを開けると、堂本がいた。

「ちわ。元気か?何だ、ますます青瓢箪(ひょうたん)みたいな顔して。」
「そっちは?血色いいな。さすが外回りの男。」

この男、堂本、どうやって知り合ったか覚えていない。友達の友達の友達の友達だったか。ひじょ
うに調子が良い男で、あちこちに借金を作っては逃げている口から先に生まれたやつだ。何故かは
わからぬがこの人付き合いの悪い俺と馬が合い、たまにこうして訪れてくる。まあ、俺には借金頼
まないし、愉快は愉快なので付き合っているって感じだ。職業は不動産屋の営業。

「お前、また寝てないんだろ。メシくってんのか、ちゃんと。」
「寝ていると言えば言えるし、喰ってると言えば言えるかなあ。」
「何だそりゃ。そんなこと言ってると人間パソコンになっちまうぞ。ほらお前の顔にアイコンが4つ
浮かんでる。」
「うそ。」
慌てて顔をまさぐってしまった。
「馬鹿、冗談に決まってるだろ。こんな下らんことで怯むなんてこりゃ重症だ。外出よ外出よ。時間
も時間だし、メシ喰いに行こうぜ。」
「時間って今何時だ?」
「昼の1時だよ。まったくもう。」
「そうか。そう言えば急に腹が減ったような気がする。じゃたまには外で喰うか。行くよ。」

前回、外食したのはいつだったろうか。多分、堂本がこの前やって来た時だな。

「お前、足は?」
「うん、車だよ。」
「どうする?2台で行くか?俺を乗っけていってくれるか?」
「馬鹿言え。俺から誘ったんだから、俺の車に乗れ。帰りはちゃんと送っていくから。
だいたい、店がどこにあるか、お前わからんじゃないか。」
「ははは、そうか。じゃ、よろしく。」

派手に”ジョウダン建設”とヨコに書いてある営業者に乗って喰い物屋に向かった。

「どんな店に行くんだ?」
「へへへ、お楽しみに。最近話題のあの店だ。面白いぞう。」
「喰い物屋なら”面白い”じゃなくて、”美味い”だろが。」
「へへへ。ノンノン。面白いんだって。」

7分ほど走ると国道の脇から入ったところにその店が有った。
そんな近くに”面白い”店が有ったとは夢にも思わなかったぜ。
あらゆる土地にマンション、住宅が建っているこの土地で、うっそうとした林に囲まれている
。奥の建物には高い煙突が有って白い煙が。

ただっぴろい駐車場に止めて、店に向かう。
屋根の上には看板が。

ハッパ寿司

寿司屋なのか。

(山)

つづく






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モトリー君 その103
「血だすプリースト」の巻