週刊 ちゃぶ通  VOL 246











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編集後記
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<前説後記小説 ハッパ寿司 第2回>

1階が駐車場になっている。ほとんど満杯だった。人気があるのだな。
何とか止められる場所を見つけて、店に向かった。
階段を上がって入るとすぐ店員が近寄って来た。

「おきゃくさま、2名さまでしょうか?」
おばさん店員ロボットだ。顔だけはやけにリアルなのだが口のところだけジャイアントロボのようにカクカク。
それもこれも前年成立した”就業ロボット規制法”のせいである。
技術的には人間そっくりに作ることが可能になってから5年。ありとあらゆる所にロボットが進出して、人間の就業問題はもちろん、人間であってもロボットでは無いかと疑われて起こるトラブルでの殺人事件が続出、
えらい騒ぎになったのだ。
そりゃそうだ。ロボットだと思ってぶち壊しただけだと主張すれば、器物損壊だけの罪になるんだから。
司法界では大騒ぎ。取りも直さず速攻で法律が作られた。
”ロボットは一見してロボットとわかるものでなければならない、うんぬん”

でもまあ、このような回転寿司では、予算も無いだろうからな。元々安価な旧型使ってるのかもしれないけど。

「そうだ。二人。」堂本が答えた。
「お食事の前にこちらで署名オネガイします。かくかく。」
「おう、ここに名前書けってよ。」
「何で喰う前にそんなことするんだ?」
「わ、何言ってんだ。知ってるくせに。とっとと書け書け。」
「え?しゃあないな。何何。」

ぽーん

名前書き終わって内容を見ようとした時、店内で派手な音が。
「おう、やってるな。きゃはは。」言いながら震えている。
「何だ今の?」
「さあ、喰おう喰おう、チャレンジチャレンジ。」

「おきゃくさま、ゴあんないいたします。」

2番目の列の一番奥の厨房側のカウンター席に案内された。
そこのエリアには他には客はいない。駐車場は一杯だったのに。店が広いからかな。
客はいなくてもネタは景気良く廻っている。OKOK。

お茶を堂本についでやったぜ。
「あー、腹減った。回転寿司なんてまだあるんだなあ。魚なんか食べるの何年ぶりなんだろう。
あ、まさか、全部偽物だったりて。」
「バーカ、ここは全部本物(ほんものじゃないつうか・・・あるけど)。」
「何か言ったか。お、トロだ。いただき。

バクっ。

うめー。ほんとだ、これほんものじゃん。よっしゃ、注文するぞう。」

でっかい丸型注文ボタンを押した。
「はいー、注文ドーゾ。」
「えーと、イクラとエンガワとハマチと赤貝とデカ穴子お願い。」
「お受けしましタ。」
やっぱ作ってるのもロボットなんだな。もっともそりゃ昔からそうか。

目の前で堂本が目を丸くしている。
「お前、見かけによらず度胸あるなあ。あ、も、もしかして、本当にこの寿司屋のこと知らないの?」
「知らないって。何だよさっきから。含みのある言い方して。回転寿司屋だろ。昔からあるじゃん。」
「あるじゃんって言ってもここは・・・。さんざん評判になったじゃないか。お前新聞とか読んでないのか?」
「お、来た来た。喰おう喰おう。どれから行こうかなあ。まずは白身だな。ハウマッチ?なんちゃって。」
バクバク。
「何だお前、喰わないのか?堂本、お前小食だったっけ?」
「お、俺は俺のペースでい、いくよ。うーんとうーんと。」
「何寿司喰うのにびびってるのかねえ。変だな今日のお前。」

その時、後ろの席に新しい客が来た。
夫婦二人、子供二人の家族。
夫婦は顔面蒼白。子供は大はしゃぎ。ズボンの膝にパッチ当ててたりして、見るからに昔ながらの貧乏さん達であった。

(山)

つづく






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モトリー君 その105
「これだけは許せません」の巻