週刊 ちゃぶ通  VOL 247











―――――――――――――――――――――――――――――――
編集後記
―――――――――――――――――――――――――――――

<前説後記小説 ハッパ寿司 第3回>

「あなた、子供達はやっぱり連れてこなかったほうが・・・」
「いや、家族は一緒じゃなきゃ・・・一緒に乗り切るんだ。」
「でも・・・。」
「ここまで来たらもう止められないんだ。知ってるだろう。ここで止めたら・・退場金なんて持ってないだろ。」
「うん・・・。」

何かとても深刻な様子だ。”退場金”?。いったい何のことだろう。
「お、お、、頼んだの来た。喰うぞ喰うぞ。」

ばくばく
一挙に2皿喰い。

「おいおい、ちょっと、ちょっと待て。あっちの家族をしばらく見てみようぜ。そしたらわかるから。」
「むぐむぐ。美味いなこれ。ん?何で?まあとにかく何か喰ったら・・言うとおりにしてもいいけど。」
「それがいいよ。」

「わーい。お寿司だお寿司だ。ねえ、好きなのたべていいの?あ、カッパ巻だ。いただきー。」
「わ、お前、そんな数が多いのを・・・。あああ、取っちゃった。確率が高くなるだろうが。ああ。」
母親は泣いていた。
「もう、それで最後になるかもしれないから・・・ゆっくり味わって食べるんだよ。」
「うん」
「私はケーキ。ケーキ食べていい?食べたことないの。お友達がとってもおいしいって言ってたのケーキ。」
「ケーキか。ケーキなら一つだから・・・いいだろう。」
「わーい、わーい。」

いっただきまーす。

凄い勢いで子供達は食べ始めた。

「えらい嬉しそうだな。」小声で堂本に話しかけた。
「ああ、昨今、生きるか死ぬかの家庭もそこらじゅうにウロウロしてるからな。いくらどんなになっても喰うものだけは支給されるって言っても・・・。」
「あんなゴミみたいなので生きられるか・・・だな。」
「お前喰ったことあるのか。」
「ああ、去年仕事がまるで無くてひと月だけお世話になったよ。おかげで10k痩せてすっかり健康体。」
「ははは。あ、食い終わるぞ。ほれ。」

「ああ、美味しかった。」
「美味しかったー。甘いのね、ケーキって。」
両親とも泣いている。
「良かった良かった。美味しかったか?うんうん。これで2皿か。あと8皿。今度は私が食べる。」
「あ、私も。一緒にいただきましょう。」
「僕達も2つ目たべていい?」
「ちょっとお待ちなさい。今お母さんたちもいただくから。ゆっくり食べましょうね。」
「はーい。」
「う、えーと、何がいいんだ。いったい。さっきのカッパ巻がだいじょうぶだとすると、意外とそうゆうのが・・・。ケーキも大丈夫なのか。やっぱ一つのものなら確立は50%だよな。
ええい、俺は喰うぞ!これだ。」

”本日限定!”真実のホンマグロ(確変です)

「あああ、勢いでこんなの取っちゃったよ。確変って普通のよりやばいんだろ。
あああ、どうしたらいいんだ。」
「でも、あなた、それクリアしたら4皿分よ。私も食べます。そしたら今日は終わりに出来る。」
「あ、お前まで・・・あ、取っちゃった。」
「女は度胸よ。あなた、家族のために気合入れて頑張りましょう。」

二人とも箸を使わず、手で寿司をとった。

「お前、今まで苦労かけたな。」
「わたしこそ、愛してるわ。」
「俺だって・・・愛してる。」


「何、ラブシーンやってるんだ、あいつら。何だ堂本泣いてるのか?」
「ああ、なんてこった。ふざけてこんなとこ来るんじゃ無かった俺が間違ってた。」
「何よ。たかが回転寿司で・・・。みんなどうかしてるんじゃないのか。」

「あなた、じゃあ一緒に。」
「うん、一緒に。」

手をつないで真実のホンマグロを口に運んだ。

その時


PONG!!

景気の良い音がして何がが爆発した。
俺の背後から何かが飛んできて、俺のハマチとエンガワが赤身とサクラ肉に変身した。

「何だ何だ!!」
振り返ると・・・・家族の父親がいなかった。
正確に言うとクビからしただけは・・・まだいたが。

「わあああ」
母親は叫んで机にうっぷした。
子供達はショックで動かない。

机にある赤ランプが景気良く点灯した。
”オメデトウゴザイマス。オオアタリデス。オオアタリデス。”
場内に鳴り響く。
すぐさま店員オバサンロボットがやって来て周囲をウルトラ清掃装置で処置をした。
もう一体やってきて父親に白い布をかけて抱きかかえ運搬する。
処置後、ロボットが言った。
「オメデトゴザイマス。確変デノ大当たりデスカラ、お見舞い金1億円デマス。
お別れと受け渡シがゴザイマス。コチラノお部屋にドーゾ。」

「お前たち、お父さんのおかげで私たちは一生大丈夫になったのよ。
さあ、ありがとうって言いに・・・さようならって言いに・・・一緒に行きましょうね。」

子供達の手を握って母親はロボットの後を付いていった。

もの凄く静かになった。

「おい、お前、これは、いったい・・・どうゆうことだ。ここっていったい。」

堂本はさらに泣いていた。そして泣きながら震えていた。

(山)

つづく






++ご意見ご意見はこちらにて。


+発行に関する最新ニュースは「日刊ろっくす」にて





モトリー君 その106
「おねがいします」の巻