ブラザース&シスターズ オールマン・ブラザース・バンド 1973/8
古今東西何が一番親不孝なことって、ロック・ミュージシャンになっちまうことです。 今でこそ猫も杓子もアーティストなどと称して無理やり地位向上を計っておりやすが、 元来バンドマンなんちゅう先もわからぬ浮き草稼業、チンピラと同義語で、しかもそれで正しいんだから、 まー、親が賛成するわきゃあ無いわな。
わたくしどももそれは先刻ご承知でしたもので、わざわざ
「ロック・ミュージシャンになろうと思うんですけどよろしいでしょうか?」
なんちゅう阿呆な了解取らずにさっさと家をおんでっちゃった。 同様なことに 恋愛結婚とゆうものがありまして、特に一昔前は親の進める相手以外は全部親不孝。 諸条件が合わなければウルトラ親不孝。 これまた
「この人と結婚したいんですけどよろしいでしょうか?」
などと了解を求めるのは愚の骨頂です。何やかんや難癖付けられて反対されるに決まってる。 親は反対する動物ですから。 わたくしどもなど悪いことにその両者をいっぺんにやらかそうといたしていたもので、とっとと家を出てしまいました。 その結果、そりゃそれなりに大騒ぎになった訳で、それでもやっちまったものはしゃーない、何とかなるもんです。 マジでチンピラになって世間様に迷惑をかけたら、何とかはなりませぬが、何事も真っ当にやってりゃ何とかなる。 ですから よくTVドラマでどうしても親の賛成を得なければ納得出来ないってカップルが出て来ると不思議でなりません。 自分らの好きなことをやろうとしたら、何言われるかわからんもんでなく、悪口言われたってしゃあないじゃん。
好きなら甘んじて受けて勝手にやっちまいな。
で、 それで成功したら、大逆転、大親孝行モノになれるかもしれません。 大金持ちになって豪邸でも建ててやったら。 しかし大抵はそんなことになるはずもなく、金持ちになっても、うっかり”ロック・スター”とかロック映画みたら、 やっぱ親は卒倒するわ。 ・・・・・ 何を書こうとしてるんだ、俺は???? あ、 そうです、
ブラザース&シスターズ
オールマン・ブラザース・バンド、1973年8月のアルバムなり。 せっかく成功したとゆうのに、兄デュアンさんをオートバイ事故で亡くし、 それでも気力振り絞って”イート・ア・ピーチ”アルバムを出しその成功を無駄にしなかった。 サザン・ロックの先頭者としての責任も背に受け。 しかしさらに試練続き、この弟妹アルバム製作時にベーシストのベリー・オークリー氏もまるで呼ばれたかのように、 デュアン兄貴が事故を起こした場所のすぐ近くで同じくオートバイ事故で天国に。 しかし 止まるわけにはまいりません。 親不孝どもらは、自らも親になってた。
アルバムジャケ内側にその大量の子供たちとの写真が。推測ですけど。兄弟姉妹も含まれているのかな。 多過ぎるわ。 しかしよく見ると年長者はいない。 まだ親や爺さん婆さんの許しは貰ってない模様です。 で、 自ら親となりますと、ウチは子供がいないのでこれも推測ですけど、あまりにもヤクザな音楽は出来ねえよなあ。 こうやって親兄弟アルバム名乗って顔出し勢揃いしてますと。

その結果、 特に我が国では・・もはやレイドバックなんちゅう褒め言葉も使われず、
「この軟弱者めがあ&たるいぞー&あのフィルモイーストの世界はどこ行ったんだ?」
との叫びが各所から巻き起こったそうです。 でも、じゃあ嫌いなのか?と訊かれたら、
「大好き!」
某雑誌では読者年間ベスト10に入ったんだって。 アメリカではアルバムは最高位1位獲得、シングルも2枚大ヒット! そのうち1枚は、これぞほんまのアメリカンプログレって言うんじゃないかのインスト
ジェシカ

インストにも関わらず最高位65位。 順位以上に愛されたのは確実。

実兄と朋友亡くしたグレッグさんの奮闘も胸に迫り、 何よりもずっとサブで支えてたもう一人のギター弾き、ディッキー・ベッツ氏、力の有らん限り活躍、 新加入のピアノのチャック・リーベルさん、入った俺が気合入れねばどーするとばかりにファイティング!

体はゆるかろうがエナジーみなぎり尋常じゃありません。 その結果がみんな
「大好き!」
音楽の本性、理屈破壊の瞬間がここに存在せり。 笑顔で。

(山)2009.5.27
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ブラザース&シスターズ
ブラザース&シスターズ(紙ジャケット仕様)
Brothers and Sisters

ジェシカ/オールマン・ブラザーズ・バンド
http://www.youtube.com/watch?v=Uo9mS-r7DIQ
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