*蒸し蒸し虫蒸し蒸し虫しますねえ。こんな日本の梅雨季節を存分に楽しむには異世界音楽が一番です。 さー貴方の耳は貴方の部屋を離れてこのミステリーゾーンへようこそ。 ご案内の水先案内人は
ファン・ガルシア・エスキヴェル氏。エスキベルって呼んでね。
 活躍はロック有史以前の1958年から1967年、BGMみたいな体裁ながらスーパーロック(スーパーマーケットで流れるロック)にも歯医者さん待合室で流れるロックにもなり得ぬエグイ音楽をひたすら作り続けた方です。時代は「原子怪獣現る」
 「アマゾンの半魚人」
 日本では御馴染み「ゴジラ」、スプートニク宇宙時代到来。わたしゃ60年生まれですから、あまりに遠くてそれ自体SFみたい。世の中では密かにこんな音楽が流れてたのかと思うと、いやー時代が新しいほど進んだ音楽だなんてますます思えなくなってくるわ。ディーヴォの申すことはある意味正しい。

↑ひえ、カンオケ型ケース!欲しい。
どんな音楽かと申すとロックじゃないわな。しかし姿勢は完全ロック。ジャンルで言うとプログレ、ニュー・ウエイブ、パンク、ヘヴィ・メタル、うへヘヴィメタ。ぐごんとかますって意味でメタルだなや。人びっくりさせてにやにや。聴く方もびっくりさせられてにやにや。
 風貌も妖しいが記録に残されている経歴がこれまた。生まれは1918年メキシコの港町タンピコにて。10歳のころ、メキシコシティにお引越し、何と独学でピアノを会得したとのこと。17歳にして17人編成、18歳にして22人編成のオーケストラ持ったんだって。もちろん作・編曲・指揮は自分で。あーた17歳でっせ。どんな経緯が有ったのか。自分のその頃考えると全く思いもつかん。人望もちろん才能を周りが認めざるを得ない存在だったのでしょう。そんでただ作っただけでなく当地で人気うなぎのぼり、米RCAのハーマンさんて方がスカウトしてアメリカに。
 「5時間で12曲録音すべし」って無茶苦茶な試練に3時間半でやっちゃったつう。えーと210分÷12=17.5分。演奏時間はまーほとんど2分台だけんど(^0^)、それにしても。相手はオーケストラだもん。楽譜ばっちし揃えてあんたはこう、あんたはそう、違う違うそうそうって戦場みたいかと。我がバンド、ラバーズホリデイも昔CD(ミニ)作ったことあります。その時は録音一晩で。5時間くらいかな。5曲あまりほぼ一発録でやったってぎりぎりだったよ。やっぱ才能のある人は違う。 その才能をこんな方に使いました。 遠くアンドロメダから来た宇宙人が地球の楽器を収集して、地球の音楽をやってみたみたいな。 「ナイト・アンド・デイ」やら「A列車で行こう」やら「センチメンタル・ジャーニー」などの超有名曲も見事なる異世界音楽に変身。 「ハーレム・ノクターン」!ちょっとだけよー、あんたも好きねえ。 コーラスは
「ずずずずずず」
「やよ、やよ、やよ、やよ」
「らっぱぱらっぱぱらった」
「おう、無茶ちゃ、はーい無茶ちょ、ゆー無茶ちゃ、無茶無茶ちゃ」 まんま目玉集団レジデンツに直結。フィリップ・K.
ディック読破の友。 当時はどうゆう人たちが愛好してたとゆうと、最新のステレオ装置を買った独身貴族の連中だとゆう。 うひょーすげー音が出るって。
 90’sになってモンド・ミュージックと称され、ちょっとばっかブームに。サーフ・ミュージック同様一花。 今は・・・今はどーかな? 正しい21世紀にこれほど相応しい音楽は無いと思う。 こんな風になるはずだったのだ、ほんとは。アトムの歩く時の靴音を消したのはいったい誰だ。

↑シナトラ氏も大ファンだったんだって
(山)2006.7.4
入手先参考(US盤、試聴可能ばっちし、アマゾン)
エスキバルちゃんの動画は無かったけどこんなすげーのが 女子何とかガクボーとかいましたっけ、か、勝てる
Reg Kehoe and
His Marimba Queens
The English translation page : here.
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