いじめっ子と火の猫
キャット・スティーヴンス
1971/9/1
最近の事です。このレコードがうちにやって来たのは。
最近と言っても数年前で。そこから今に至るまで感謝しよう感謝しようと思い続け出来なかった。
その理由は・・・。
キャット・スティーヴンスさん。
もちろんヒット曲の数々、知ってます。子供の頃から好きでした。
レコードは何故か買わなかったな。ラジオで聴けたからか。
ベスト盤CDも大人になって買い、やっぱいいなあ。
キャッチ・ブル・アット・フォー。この次の盤ですが今のようにアナログ盤をまた買うようになって最初に入手。
しかし何故かハマらず。何でかな。そうだよ、不思議だ。また聴いてみよう。
・・・その時はハマらず、またしばらく時が。
いじめっ子と火の猫
〜Teaser and the
Firecat
1971年9月1日発。
そして目の前にこのレコが現れました。
ジャケット。キャットさん自身が書いたとゆう。エンボス地の紙質になってます。
これを手で触り見たら買わずにはいられなかったよ。裏には表の少年の何とも言えず侘しい角度の内股の脚のアップ。
買わずにいられるかい。家に帰りゆっくりとジャケを開きます。オリジナル当時の日本盤でした。
そこでまた驚く。見開き1、見開き2、見開き3、見開き4。
曲目、顔アップ、メモとアイランドによるバイオ、今野雄二氏による解説、歌詞と対訳。

超豪華!これがLPをアルバムとゆう所以だ。現在CDではデラックス・ヴァージョンで2枚組になってるんだな。
昨年に。日本盤は出なかったよう。となると当然このような装丁にはなって無いわけで、もしその気が無くともレコ屋さんで見かけたら買っておきましょう。
厚かましくお奨めします。値段は安いはずですので。
音はCDはいいはず。しかし既にこの71年のアナログでびっくりするほどいい音です。目の前に音楽がどわっと立つほど。
さらに良くなってれば・・・・想像も出来んな。

と、
聴き始めて、KOされました。完全に。
もう40もとうに超えてますんで、感性もいささか鈍くなり、大抵のものでは悲しいことに驚きもせず、ハマらん。
しかも知ってる曲が入ってて馴染んでる人のアルバムともなると。
しかしヤられた。やられました。
モノが違います。
私の70’s洋楽最初買いレコはエルトン・ジョンの”黄昏のレンガ路”。最初に買うにはあまりにも素晴らしい盤で。
たちまちの内にとりつかれ、ファンクラブに入っちゃったくらい。
もしその前にこのアルバムを買って聴いていたら・・・・キャットさんのファンクラブに入っていたでしょう。
当然擦り切れるほど聴いたはずです。
何をそれから聴くにせよ、基準になったりして。
イエスを聴いたら、ああ、この変拍子はキャットさんのだ・・・とか。
エルトン黄昏聴いたなら、嗚呼この匂いはもしかしてキャットさんのだ・・・とか。
今野さんの解説によりますと、実際この時エルトンはこのアルバムにぞっこんだったようで。
会う人会う人、みんなに薦めてたのだとか。
”黄昏のレンガ路”でお抱えレギュラーのストリングス・アレンジャー、ポール・バックマスター氏に代わって、
それを担当しているのはこの盤のデル・ニューマン氏です。
このレコのこと、ケなしでもしたら血相変えて怒る人世界中にわんさかいるだろな。
何の得にもならんのにムキになって。
一回聴いちゃったら心のパーツの一つになり外したら壊れちゃいそう。
キャットさん自身、大きな穴が心の中にずっと子供の頃から空いていた人のようです。
それは既に過ぎてしまった過去の穴で、大人になっても取り返しが付かず埋めようが無い。
それを常に埋めるため心から望んで音楽を創った。
だから人の穴も埋めちゃう。
32分39秒。歌詞がわからぬとも染み渡り、歌詞がわかってくればなおかつ。
誇りを持って、メロディとリズムの時代70’sにはこんな音楽が有ると言えます。
ここから
37年経ちましたか?
それがいったい何?たかが37年、人類何か変わりましたか?
私は変わってません。
ここにあるこの気持ちを無くしちゃったら変わってしまうだろうけど、
そしたらそんな哀しい侘しいことは無いよ。
(山)2009.3.19
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Cat Stevens - The
Wind
http://www.youtube.com/watch?v=W4-IZTZkTY8

雨にぬれた朝
キャット・スティーヴンス
1972/1/1
♪にゃけましておきゅめとうござわんわん♪
「何だそりゃ。」
「あめましておめでとうございます。
だって。」
「そうかそうか、はい、おめでとうございます。」
「にゃ」
「きゅうん」
「わんわん」
「お年玉くれ。
だって。
あ、僕にも。」
「おまいらはー。神聖なる初春を何とこころえておるのだ。
そもそも新年とはなあ・・・」
「にゃあ」
「きゅわん」
「わんわん」
「お年玉とお雑煮だろ。
だって。」
「バカ言え。凧揚げて独楽を回して遊びましょもあるぞ。
遊んでこい。」
「その前に・・・」
「わかったわかった。

長らくお待たせいたしました。今年もよろしくお願い申し上げますのレコ屋でござーい。
今年最初にお引き立て賜ります完璧な歌は・・・・

MORNING HAS
BROKEN
雨にぬれた朝

Cat
Stevens
キャット・スティーヴンス

↑フランス盤
ああ初日の出。新春にふさわしい。」

「僕にもお年玉ください。」
「説明好き兄トロも欲しいって。」
「お前は何より説明したいんだろが。させてやる。やれ。」
「病が癒えて生まれ変わって元気揚々、ノリに乗って、
同じく時の寵児、まだ毛があるエルトンからは賛辞の嵐を贈られ
いけいけどんどんで登場のカーリー・サイモン姉御からはデートを誘われ歌にされ
時代の王子様ですキャットさん。」
「にゃあ」
「お前のことじゃないよ。」
「ここに火に油を注ぐ大ヒット誕生、
てんこ盛りアルバム

いじめっ子と火の猫
〜Teaser and the
Firecat
1971年10月1日発。

↑オランダ盤裏
より

↑オランダ盤
雨にぬれた朝
MORNING HAS
BROKEN

↑ドイツ76年盤
実はオリジナルでは無く
原曲は古式ゆかしき英国ゲール・トラッドの
「ブネッサン
Bunessan」
スコットランド西方海岸のムル島の西のはじっこにある村の名前を冠した曲
http://youtu.be/JnuZGsSVg2c
を起源とした賛美歌であります。
我が国では
讃美歌444番”世のはじめさながらに”
http://youtu.be/deAYbqBG0Qg
森山良子さんシング。
1900年に発見され
Child
in the manger, Infant of Mary
http://youtu.be/SH7ciHC6gCw
の名で
クリスマス・キャロルとして伝搬、
1931年にイギリスの詩人であり児童文学作家のエリナー・ファージョン〜Eleanor
Farjeonさんにより
英詩が付けられ出版、
ここに
A Morning Song (For the First Day
of Spring)
生まれる。」
「にゃ」
「きゅん」
「わんわん」
「なんだクリスマスの歌じゃん。
だって。」
「そうゆうこと言わないの。」
「それをば誰がやろうと言い出したか多分それはキャットさんでありましょが
カバーしたのです。
当初段階では45秒しか長さがなく、それじゃあまりにも尺が無いよと
プロデューサーのポール・サミュエル・スミスさん、頭抱える。
そこで奮闘キャットさん、最終的に3分まで長さをしたんですが
それでもまだ何か足らん。
悩んでたとこ、ある日、イエスの新鍵盤師、リック・ウェイクマンがレコーディング・ブースで弾いてるのを聴いて
それだ!
と雄叫び、是非それをばウチの歌で弾いてほしいとお願いしたら
リックさんはこれはワシの1973年1月23日発売の最初のソロ・アルバムの
”ヘンリー八世の6人の妻”の
”キャサリン・ハワード”って曲に使うつもりなんだがなあ・・
http://youtu.be/k7lFVdZmnSo
とお渋りになりましたがそりゃ当然だわな。
そこを何とか親分さんの男気で
とキャットさんが土下座したもんでやってやりましたのが

↑ドイツ81年盤
このブリリアントな
無くてはならぬ
ともすれば下卑になりかねぬ一歩手前なればこそ
これ以上でもこれ以下でも無い
華やかなピアノ
を橋渡しに
魔法となりましたのです。」

「あの私にも・・・」
「お花買えばいいのかね。」

「お花買って&お年玉をください。」

↑英盤
http://youtu.be/kKoRp05L95c
♪
Morning has broken, like the first
morning
朝が来たれり
まるで初めの朝のように
Blackbird has spoken, like the
first bird
くろつぐみがさえずれり
まるで初めの鳥のように
Praise for the singing,
praise for the morning
その歌声を讃えなさい
その朝を讃えなさい
Praise for them
springing fresh from the Word
その言葉より新たにわきいでしものを讃えなさい

↑コロンビア盤LP
ピアノ
Sweet the rain's new fall, sunlit from
heaven
雨は甘く新たにしたたり
天よりの輝き
Like the first dewfall, on the
first grass
まるで初めの露のように
まるで初めの葉の上で
Praise for the sweetness
of the wet garden
そぼ濡れた庭の甘美さを讃えなさい
Sprung in completeness where
His feet pass
主の御御足が通れしところ
全きものとして湧きいでしもの

↑英83年盤
ピアノ
Mine is the sunlight, mine is the
morning
我のもの、そは陽の光
我のもの、そはこの朝
Born of the one light, Eden
saw play
一筋の光より生まれ
エデンはその戯れを見し
Praise with elation, praise
every morning
喜びを以って讃えなさい
巡り来る朝を讃えなさい
God's recreation of
the new day
神は再び創られた
新しき日を

↑英83年盤
ピアノ
Morning has broken, like the first
morning
朝が来たれり
まるで初めの朝のように
Blackbird has spoken, like the
first bird
くろつぐみがさえずれり
まるで初めの鳥のように
Praise for the singing,
praise for the morning
その歌声を讃えなさい
その朝を讃えなさい
Praise for them
springing fresh from the Word
その言葉より新たにわきいでしものを讃えなさい
ピアノ
♪
「綺麗な歌だねえ。」
「綺麗な歌だのう。」
「朝は眠いだけだと思ってたけどそうじゃないんだねえ。」
「無いんだのう。」
「そうです。そのあまりにもの美しさに

↑イタリア盤
英8回目のヒットで、7回目のTOP40ヒット、
何とタイミングよし
1972年1月1日36位初登場、
以後
30-13-10-(1/29)9-13-23-25-(2/26)32-41-43-42-(3/25)44位。
最高位9位、通算13週。

↑アメリカ盤
米4回目のヒットで、4回目のTOP40ヒット、
1972年4月1日36位初登場、
以後
78-61-43-(4/22)27-21-19-15-10-(5/27)6-6-8-13-17-(7/1)24位。
最高位6位、通算14週。

↑ポルトガル盤
日本洋楽チャート3回目のヒットで、3月20日23位初登場、当方確認はその週だけ。
英はもちろんアメリカででも氏の最大タイの超ヒットとなりました。
B面は
アルバム未収録の

↑アメリカ盤
I Want To Live In A
Wigwam

↑英盤
http://youtu.be/hqfqXwk87yQ
♪
I'd like to live in a
wigwam
僕はインディアンのテントに住みたい
Yes I'd like to live in a
wigwam
そう、僕はインディアンのテントに住みたい
I'd like to live in a wigwam
and
僕はインディアンのテントに住みたい
Dance round the totem
pole
そしてトーテムポールの周りで踊りたい
I'd like to live in an
igloo
僕はエスキモーの家に住みたい
I'd like to live in an
igloo
僕はエスキモーの家に住みたい
I'd like to live in an igloo
and
僕はエスキモーの家に住みたい
Fish from an icehole
氷の穴で釣りをしたいんだ
I'd
like to ride on a caravan
お、僕はキャラバンの馬車に乗りたい
I'd like to take a
ride on a caravan
僕はキャラバンの馬車に乗りたいんだ
I'd like to ride on a
caravan and
僕はキャラバンの馬車に乗りたいんだ
Sing with the
gypsies
ジプシーたちと歌いたい
I'd like to live on a
commune
僕はコミューンに住みたい
Yes, I'd like to live on a
commune
そう、僕はコミューンに住みたい
I'd like to live on a commune
and
僕はコミューンに住みたい
People can call me a
hippie
人は僕をヒッピーと呼ぶのさ
   
I don't want to live in a
palace
僕は宮殿に住みたくない
No, I don't want to live in no
palace
いやだ、僕は宮殿なんかに住みたくない
Oh I don't want to live in no
palace
お、僕は宮殿なんかに住みたくない
There's too many empty
rooms
空き部屋が多過ぎるだろ
I don't want to live in a
barracks
僕は兵舎に住みたくない
I don't want to live in a
barracks
僕は兵舎に住みたくない
Oh I don't want to live in a
barracks
お、僕は兵舎に住みたくない
And wake up to the bugle
tune
起床ラッパで起きたくないんだ
I'd just like to live in a
treehut
僕はただ木の上の家に住みたいだけ
Yes, I'd like to live in a
treehut
そう、僕は木の上の家に住みたいんだ
Yes, I'd like to live in a treehut
and
あああ、僕は木の上の家に住みたいんだ
Listen to the sound of the
birds
鳥のさえずりを聞きたい
   
I don't want to live in a
jailhouse
僕は刑務所に入りたくない
Don't wanna bide my time in no
jailhouse
刑務所で出れる時を待ちたくない
No I don't want to live in no
jailhouse and
いやだ、僕は刑務所に入りたくない
Be fed bread through the
bars
鉄格子の隙間からパンを与えられたくない
   
I'm glad I'm alive am I
よかった僕は生きている僕は
I'm
glad I'm alive am I
よかった僕は生きている僕は
I'm glad I'm
alive
嬉しいんだ僕は生きている
I'm glad I'm
alive
嬉しいんだ僕は生きている
I'm glad I'm alive am
I
よかった僕は生きている僕は
We gotta get our heads up in the
sky
僕らは空で頭を高く上げねばならないんだ
We gotta get our heads up in the
sky
僕らは空で頭を高く上げねばならないんだ
We gotta get our heads
up
僕らは頭を高く上げねばならないんだ
Gotta give it time
そうして生きなければならない
We
gotta get our heads up in the sky
僕らは空で頭を高く上げねばならないんだ
Gotta get
to heaven get a guide
天国にたどり着かねば
ガイドを見つけなければ
We gotta get
to heaven get a guide
僕らは天国にたどり着かねばガイドを見つけなければならない
We gotta
have a guide
僕らにはガイドがいなければ
We gotta get to heaven get a
guide
僕らは天国にたどり着かねばガイドを見つけなければならない
ああ
ああああ
♪
「キャット氏の別側面、感極まって激情ほとばしる編です。」
「かなり神臭いねえ。」
「そりゃ神臭いよ。
だって
1月1日初登場
初詣で
です。」
(山)2014.1.4
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↑当時ML誌レビュー
ろっくすキャット・スティーヴンス氏のページ
資料
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閲覧ありがとうございます。
僭越ながら
ウチのバンド、Lovers
Holidayの曲です。
お聞きくだされば幸い、CM込みで見てクリックしてお聞きくださりませればお駄賃になりましてなお嬉しです。
よろしくお願い申しあげます。
http://www.youtube.com/playlist?list=PL3A8FE17D2271FEAA
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